タイタニック号の悲劇

春一番

今日は、カナダ大西洋沿岸の4州の中で一番大きな町 ハリファックスのお話です。

ハリファックスは、今も昔も、この地域の中心地。
ハリファックスの港は、北大西洋では貴重な不凍港です。
それに、世界で2番目に大きな天然港ですって❗️
いつ見ても活気にあふれてます。


©Tourism Nova Scotia

ちなみに1番目は知ってます?
オーストラリアのシドニーだそうです。

1912年、イギリスのサザンプトンを出向した「タイタニック号」
4月14日の深夜、ニューファンドランド島沖600km付近で 巨大な氷山にぶつかって、あっけなく沈んでしまいます。

「沈まない船」とうたわれた最新型の船は、その処女航海で沈没してしまうわけです。

この衝撃のニュースは世界中を駆け巡り、100年近くたった今でも、タイタニックの悲劇に、果てしない思いを馳せる人たちも多いことでしょう😩

ハリファックスは、当時沈没現場から一番近い港だったので、直ちに3隻の救助船を出港させました。

ただ、沈没現場は1,000Km以上も離れていたため、助けには行ったものの、到着したときは、救助するには遅すぎました。

船から浮かび上がった様々な遺品や亡くなられた方の遺体が、海の上を漂っているだけでした😢

ハリファックスに持ち帰った遺体は333体。
その多くは、祖国に帰ることが出来ずにハリファックスに埋葬されました。
今でも市内3箇所に、タイタニック号犠牲者の墓地が残っています。

墓石には、遺体の収容番号しか書いていないものもあります。
年々、DNA検査が発達し、今でも身元が分かる遺体があるとのことですが、番号だけのお墓は本当に悲しいです。


墓地には花が絶えることがありません。

船から収容された遺品は、市内にある大西洋海洋博物館に納められています。

船で使用されていた食器、内装の破片、たくさんの写真などが展示されています。
特に注目されるのは、世界でたった一つだけ残っている、タイタニックのデッキチェアでしょう。


©Tourism Nova Scotia

私が一番心を動かされるのは、「SOS」の無線記録です。
記録の一部始終が全部展示されていて、それを読むと、いつも胸がつぶれそうになります。

あの、大ヒットした映画「タイタニック」のジェームス・キャメロン監督も、映画制作前に、この博物館に訪れました。

展示物の中に、中央大回廊に使用されていた大くて立派な木片があります。
それを見て、あの有名シーンを思いついたと言われています。
ローズが捕まって助かるあの木片です。

そういえば、墓地にも、「J.Dawson」と書かれたお墓があります。
デカプリオ演じた主人公、ジャック・ドウソンとまるで同じ名前なので、映画封切り後は、しばらくそのお墓は花で埋もれていたそうです。
本物のJ.Dawsonは、タイタニックの船員さんだったそうです。

キャメロン監督、ここまで考えて主人公の名前を決めたのか分かりませんが・・・偶然だったら、ちょっと怖いですよね。

ハリファックスは、坂の多い町で、ダウンタウンの上には、シタデルといわれる「五稜郭」型の要塞があります。 これが縁で、函館とも姉妹都市になっているんですよ。

プリンス・エドワード島に行くなら、せっかくですからハリファックスでも時間をとって、見所を回ってみてくださいね。
ここまで来て、素通りするのはもったいないですよ