春一番
3月後半に入って、やっと、長引いていた風邪が治まってきました。
とにかく、今回は咳がひどくて参りました。
先週から日本に出張にきています。
花粉症の人が「ぐすんぐすん」とやっているのを横目に、こちらは「ごほごほ」と咳き込んでいました😢
そのうちに、自分が花粉症か風邪なのかわからなくなるんじゃないかと思うほどです。
さて、今日はカナダであってカナダでないような一味ちがうカナダを紹介したいと思います。
それは ニューファンドランド&ラブラドール州。
カナダどころか北米で最も東の端に位置する州です。
・・・ということは、ヨーロッパから一番近い北米なのです。
地図で見ると、プリンス・エドワード島より更に北東にあります。
ちょっと西洋史に触れてしまいますが、15世紀ごろ、ヨーロッパではスペインやポルトガルが強国でした。
英国やフランスは後進国で、植民地を獲得して勢力を伸ばそうとがんばっていました✊
スペイン王の命を受けたコロンブスが、アメリカ発見をしたのが1492年🎉
その後、スペインに遅れまいと、大英帝国の使命を受けたイタリア人「ジョン・カボット」が大西洋に乗り出します。そして1497年、遂にジョン・カボットがニューファンドランドに到達するのです🎉
この探検がもとになって、世界3大漁場の一つ「グランド・バンクス」が発見され、その漁場の獲得を巡りフランスとイギリスが激しく攻防を広げ、それが、北米大陸の植民地争いへと発展するのです。
ニューファンドランドの現在の州都セント・ジョーンズは、世界で初めて大英帝国の植民地となった土地でもあります。
1867年に、英国自治領からカナダが独立しても、ニューファンドランドは英国自治領のままでした。
それは、歴史的な関わりが強く、自らを英国人と意識する人たちが多かったからです。
そんな、ニューファンドランドが遂にカナダの一つの州になったのは1949年。
第2次世界大戦後のことでした。
このようなユニークな歴史があるのも、一重に「ヨーロッパに一番近い北米」という地理的な要素が深く関わっていたからでしょう。
その地理的な利点を生かして、産業革命時代には、記念すべき数々の大実験の舞台にもなっています。
そのひとつが1901年、初めての大西洋横断無線受信成功です。
マルコーニと言う人がニューファンドランドのセント・ジョーンズでイギリスから送信された無線を受信したのです。
この成功が、今のデジタル時代の幕開けとなったのですね。
マルコーニが受信に成功した場所は、シグナルヒルにあるカボットタワー。
現在、彼の功績を讃える展示を見ることができます。
(C) Akira Kamio
また、セント・ジョーンズ近郊には、北米で最もヨーロッパを身近に感じられる場所があります。
それは「スピア岬」。
そう、ここは、北米最東端の場所なのです。
(C) AKira Kamio
ここからヨーロッパまではわずか3000キロ。
遠い水平線を眺めて、はるか彼方のヨーロッパに思いを馳せ、大航海時代の浪漫を感じるのもおつですね🚢
ここを訪れると、自分の名前入りの北米最東端到達証明書をもらうことができますよ。
(c) Akira Kamio
カナダは、大自然ばかりだと思っていたら大間違い。
このように、ユニークな歴史とめぐり合うこともできるのです。
次回は、もっとニューファンドランドの魅力を紹介しますね。
お楽しみに‼️