地球の鼓動を聞く不思議

春一番

先週今週と、好評により?続けてきたニューファンドランドの話題。
いかがでしょうか。
ちょっとニューファンドランドが好きになってくれたかな・・・・😍

せっかくなので(何がせっかく?)もうひとつ、すごい地域を紹介しちゃいます。

それは、地球の生きている証を目の当たりに見ることができる場所。
そんなところがニューファンドランドにあるのです。

島の西側の海岸に位置するユネスコ世界遺産「グロス・モーン国立公園」が、そのすごい場所なのです。


(c) Tourism Newfoundland & Labrador

私が初めてここの地を旅したのは、もう15年前ぐらい。
レンタカーをして、景色の良い山岳地帯を鼻歌交じりに運転していると、いきなり目の前に赤茶けた山が見えてきました。

しかも、夕刻だったので、山肌が夕日を受けてオレンジ色に輝いているのです。
周囲の山々は豊かな森林に覆われているのに、その山だけが、森林なんかひとつもなく、真っ赤な山肌を人前に晒していました。

それはそれは、不思議でぞくぞくするような光景でした。


(c) Tourism Newfoundland & Labrador

後で、地元のガイドさんに聞いたら、その山は「テーブルランド」
と呼ばれ、なんと、地球の内部の「マントル」が、地殻変動によって盛り上がってできた山だったのです。 マントルの地質には、植物は、あまり育つことができません。
だから、その山だけ周囲から孤立しているように、異質な風貌を見せていたのです。

この地域は、昔々、アメリカ大陸とアフリカ大陸がぶつかり合い、激しい地殻変動が起こっていた場所。 何かの拍子に、内部のマントルが隆起してしまったのでしょうね。 まさに、地球が生きている証拠ではありませんか!

マントルが地球表面に出ている場所は、世界でもごくわずか。 ましてや、人が踏み込んでハイキングまで出来るところは、このテーブルランドしかありません。

グロス・モーン国立公園が世界遺産に指定されたのも、テーブルランドを始めとする地質学上貴重な場所が点在しているから。 ここは、知る人ぞ知る世界中の地質学者の憧れの地なのです。

地層が直立してしまった露出している崖と海岸や、内陸険しい切り立ったフィヨルドなど、荘厳な風景が来る者を圧倒します。


(c) Tourism Newfoundland & Labrador

旅行で訪れるなら、ハイキングが絶対にお勧め👍
実はここ、北米の隠れざるハイキングのメッカでもあるのです。 公園内には様々なハイキングコースが整備されて、ビギナーから健脚の人まで十分に楽しめます。
珍しい花々や、化石の出る海岸、フィヨルドの壮大な眺めなどなど。醍醐味ばかりで、何日いても足りなくくらいです。

マントル層の土を踏みしめて歩けば、地球の息吹を身体に感じることができるかもしれませんよ。