春一番
みなさんは、カナダの地図を見たことがありますか❓
カナダは日本の27倍の国土を持つ大きな国ですから、一つ一つの州もとても大きいです。
州境の分け方も直線で長方形に切られたような大雑把なものばかり。
ところが、それを大西洋沿岸に目を移すと、小さな州がこちゃこちゃとあります。
他の州と比べると、ここの部分だけどうしてこんなに小さいんだろうと、不思議じゃありませんか⁉️
この大西洋岸にある小さな4州のことを、「アトランティック・カナダ」 といいます。
ニュー・ブランズウィック州
ニューファンドランド&ラブラドール州
ノバ・スコシア州
プリンスエドワード島州
そう、「赤毛のアン」の故郷のプリンスエドワード島も、このアトランティック・カナダ4州の仲間なんですよ。
なんでここだけ、他の大きな州に比べて小さいかっていうと、カナダの歴史、建国の歴史に関係した話になってきます。
日本から一番遠い東部カナダであっても、ヨーロッパからは 一番近い北米大陸。 ヨーロッパ人の入植はここから始まり、そして領土戦争があり、カナダ連邦成立へと導いたここは建国の4州なのです。
アトランティック・カナダの4州は、歴史や伝統の深さから、小さくてもそれぞれに特徴を持つ州なので、小さくても安易に合併することができませんでした。
この地域だけに小さな州が集まっているのは、そういった深い理由があったのです。
アトランティック・カナダの中では、日本で一番有名なプリンスエドワード島。
実はカナダ人の間では「赤毛のアンの故郷」というより「カナダ発祥の地」として有名です。
州都シャーロットタウンで1864年に、建国会議が行われそれが元になってカナダ連邦が成立したからです。
シャーロットタウン 建国会議があった州会議事堂
「赤毛のアン」は、1800年代後半が時代背景。
この時期は、新しいカナダという国がどんどんと大きくなり強くなってゆく時代でもあります。
イギリス文化を誇りにしながら、新しい国を作った人々がまさに「赤毛のアン」の時代の人々。
考えてもみてください。
日本では、明治時代になった頃ですよ。
プリンスエドワード島のアンの日常に、そんなに古さを感じないのも不思議ですよね。
100年経つ今でも、私たちにこれだけ読み継がれている魅力が、ここにあるのだと思うのです。